公式輪投げ

公式ワナゲ
日本ワナゲ協会
■ワナゲの歴史と公式ルールについて『輪で 話と 和を』の心を大切に
 ワナゲの起源には諸説があります。ゲームとしての記録は紀元前200年頃、ヨーロッパにおいて馬の蹄鉄をステーク(目標棒)に投げ入れ楽しんだのが最初とされています。

それまでにも棒状のものを投げる遊びはありましたが、輪状に近い物を投げ入れるゲームは、この蹄鉄投げが最初で、蹄鉄がやがて輪に変化したのは、中国に入ってからだと言われ、現在のようなリングが完全な円形になったのは、わが国(倭)へ仏教とともに紹介されはじめた頃ではないでしょうか。  蹄鉄投げは、新大陸アメリカで 「ホースシューズゲーム」として開花します。19世紀以降は、単にカウボーイの遊びではなくルールが整備され、誰もが親しめるスポーツとなり、全国大会が開催されるに至り現在では全米で3000万人のプレー人口となりました。
一方、わが国では、残念ながらゲームとしての進展は認められず、縁日でのお遊び程度で生きながらえてきました。 戦後、元大阪府立大学教授青木泰三 初代輪投げ協会会長の指導により、ワナゲをゲームとして再生、独自のルールや用具が整備されました。
当初の輪は、素材にロープを使用、均質性やゲーム性を考慮し現在のゴム製のものが開発され、目標となる台の形状は正四角形になり、そして台上の数字の縦、横、斜のいずれの和(+)も15となる配列を施しました。後に、これを15(いちご)すなわち『一期(いちご)方式』と呼び、『輪で 話と 和を』の精神と共に、指針となっています。
1967年4月簡易スポーツ研究会の基礎メンバーを中心に日本ワナゲ協会が発足。
1967年、1977年、1994年のルール改訂を経て、2001年10月『一期方式』の全面的採用が決定し、統一公式ルールとして、2002年4月(平成14年)から実施となりました。その理由としては、「昨今は地域内にとどまらず、地域間の交流が盛んとなり、愛好者から統一の要望が多く聞かれたこと」「輪を投げて単に得点を競う縁日的遊びから脱皮し、生涯スポーツへの進化と本来のより楽しい対話型ゲームへ推進することが、長寿社会の今日こそ必要」との声が一層強くなったことがあげられます。
1.ゲーム
 単独投輪方式交互投輪方式の2通りがあり、共通のルール原則に『負け後攻の原則』、『一期の原則』、『和の原則』、『投輪ルール1、2、3 』があります。

場所は、屋内外を問わず6畳程度の広さで楽しめます。投輪距離は、通常2mです。用具は、60cm角の台と9本の木製棒、ゴム製のリング9本(赤4、黄4、青1)です。
・単独投輪方式
1人 が9本持ち、投輪ラインを踏まずに全部台に投げきり、棒に入った点数の合計が総得点になります。縦横斜いずれか一列に入った場合、通常は15点になりますが、『一期の原則』により2倍の得点になり、30点になります。最高は、8列で9本すべての得点棒にリングが1本ずつ入った状態で、得点は計算上240点(8列×15点×2倍)になりますが、これを「上がり」(パーフェクト)と呼び特別に得点は300点になります。
不特定多数で総得点を競うのに適している方式です。
・交互投輪方式
1対1の2人で楽しみます。ジャンケンで勝てば先攻で 赤リング(輪)を4本持ち、負ければ後攻で黄リングを4本持ちます。
第2セット以降は前セットに負けた方が後攻になります。これを『負け後攻の原則』と呼びます。
2mのラインから1投ずつ交互に投輪4本すべて投げた時点で得点の負けている方が、最後のアンカーリング(青リング)を投げることができます。最終にこの青リングも加点し、得点の多い方が第1セットの勝者になります。得点の数え方は単独投輪方式と同じように『一期の原則』を適用します。もし、4本ずつ投げた時点で同点であったり、青のアンカーリングを投げても同点になった場合も、第1セットは引き分けになり、次セットに移行します。これを『和の原則』と呼びます。 通常は上記を1回として1試合(ゲーム)3回(セット)します。
なぜ2通りが必要か?例えば大会などで、多くの参加者の場合、予選では単独投輪方式を採用し、短時間に多数が楽しめ、次に得点の多い人が決勝に進み、決勝では交互投輪方式で行い「参加者も観覧者も充分試合を楽しむ」といった配慮からです。
2.運動効果 
135gのリングを2mの位置から投げるのですがその際、主に以下の機能が要求されます。◆平衡力/身体の均衡を保つバランス感覚 ◆調整力/足の屈伸や腕の振りを調整する力

◆筋 力/リングの重さを生かした腕の力 ◆頭の柔軟性/単に「投げる」から「考えて投げる」ゲームは、頭脳の柔軟な働きを必要とします。
第1章 競技場および用具
第1条 競技場

競技場については、屋外・室内を問わず、平坦な場所に台を設置する。ワナゲ台の固定ラインと投輪ラインを2mの間隔をあけて引く。但し、競技前の申し合わせにより、競技者の身体条件、技術レベルに応じて台の固定ラインと投輪ライン間の距離を別 に設定することについては、これを許可する。
第2条 用具
第1項  台
台は、 木製60cm×60cmの白地、上面に上段左より4・ 9・2、中段左より3・5 ・7、下段左より8・1・ 6の数字を茶色で印したもので、日本ワナゲ協会公認台を使用する。また、各数字の上には棒を固定し、台裏に傾斜(傾斜角度20°(±1°)をつけるための脚2本を付すものとする。
第2項  リング〔輪〕
リングはゴム製で外径16.5・(±1・)、内径13.5・(±1・)、重量135g(±3g)のものを使用し、リングについては、赤リング4本・黄リング4本・青リング1本の計9本を使用するものとする。

第2章 競技方式
 

第1条 単独投輪方式
第1項(単独投輪)

1人が9本(赤・青・黄)全部のリングを続けて投輪する。
第2項(使用するリング)
赤4本・黄4本・青1本の9本のリングを使用する。
第3項(投げ方)
・リングは、どのように持って投げても構わない。
・投輪は両足とも床につけて行い、投げたリングが台もしくは床に着地し、先に投輪したリングが完全に静止してから次のリングを投げる。
第4項(投輪位置)
必ず投輪ラインの後方から投げ、リングが手から離れ台に落ちるまでラインを踏んだり、越えたりしてはならない。
第5項(得点)
得点とは、リングが入っていた棒下の点数をいう(これを得点リングと呼ぶ)。また、縦横斜のいずれか1列にリングが並んだ場合は『一期の原則』によ り15×2=30点となる。たとえば、4・3・8・ 5・6の数字上の棒にリングが1本ずつと2の棒にリングが1本入っていると、90点となる。 全部の棒に1本ずつリングが入った場合、本来は15×2×8=240点だが、「上がり」(パーフェクト)で300点となる。
第6項(有効リング)
・ ワナゲ台にあるリング。
第7項(無効リング)
・ 得点リングが棒から出て、台上から外れたリング。
・ 投輪ラインを踏んだり、越えたりして、投げられたリング。
・ 手から離れて床またはどこかに一度触れたリング。
第8項(リングの位置変更)
・ 無効リングによって、すでに棒に入っているリングが外れた場合は、棒に入っていたリングをもと通 り棒に戻すものとする。ただし、ワナゲ台に乗っていたリングが移動した場合は、そのままとする。
・ 無効リングがその後台上に乗った場合は、その都度リングを取り除くこととする。
第9項(審判)
審判員は特別に設けず、プレーヤー同志「和の原則」にそって競技を行う。
但し、競技運営上、公式大会については必要に応じて審判員を置くことができる。
※公式大会とは本協会の主催及びそれに準ずる大会第2条 交互投輪方式
第1項(交互投輪)
2人で行い、1投ずつ交互に投輪する。先攻・後攻は、ジャンケンで勝った方が先攻、負けた方が後攻となる。1試合は、3セットで競い、2セット以降は前セットで負けた方が後攻となる。(負け後攻の原則)
第2項(使用するリング)
先攻は赤リング4本、後攻は黄リング4本を使用する。青リング(アンカーリングと呼ぶ)は投輪ライン付近の、投輪に支障のない場所に置く。
第3項(投げ方)
・リングは、どのように持って投げても構わない。
・投輪は両足とも、床につけて行い、投げたリングが台もしくは床に着地し、先に投輪したリングが完全に静止してから次のリングを投げる。第4項(投輪位置)
必ず投輪ラインの後方から投げ、リングが手から離れ台に落ちるまでラインを踏んだり、越えたりしてはならない。
第5項(得点)
得点とは、リングが入ている棒の下の点数をいう。縦横斜のいずれか1列にリングが入た場合は『一期の原則』により15×2=30の点となる。たとえば、4・ 3・8の数字上のポールにリングが1 本ずつと、2の棒にリングが1本入っている場合は、32点となる。

第6項(アンカー権)
プレーヤーが各4本のリングを投げ終わり、互いの点数を確認した後、点数の低いプレーヤーには「アンカー権」が与えられ、このプレーヤーがアンカーリングを投輪し、セットが終了する。アンカーリングにも『一期の原則』が適用される。
第7項(同点の場合のアンカー権の規定)
各プレーヤーが4本ずつ投輪を終了した時点で同点であった場合は、アンカー権は施行されない(和の原則)。
第8項(得点の計算)
得点は、アンカーリング投輪後に、互いの点数を確認する(相互審判) 。
第9項(勝敗)
勝敗は、1試合必ず連続して3セット行い、勝ちセット数で競う。 同点の場合は総合得点の多い者が勝ち。総合得点も同点の場合は「和の原則」により同点で終わる。大会運営上勝負が必要な場合は「一投勝ち」で決める。
第10項(有効リング)
・ ワナゲ台にあるリング。
第11項(無効リング)
・得点リングが棒から出て、台上から外れたリング。
・ 投輪ラインを踏んだり、越えたりして、投げられたリング。
・ 手から離れて床またはどこかに一度触れたリング。
・ 投輪の順番を間違えて投げたリング。
第12項(リングの位置変更)
・ 無効リングによって、すでに棒に入っているリングが外れた場合は、棒に入っていたリングをもと通 りに戻すものとする。ただし、ワナゲ台に乗っていたリングが移動した場合は、そのままとする。
・ 無効リングがその後台上に乗った場合は、その都度リングを取り除くこととする。
第13項(審判)
審判員は特別に設けず、プレーヤー同志「和の原則」にそって競技を行う。但し、競技運営上、公式大会については必要に応じて審判員を置くことができる。
※公式大会とは本協会の主催及びそれに準ずる大会*人数が少ない場合(10人前後)
交互投輪方式をリーグ戦で行う。 勝ちセット数の多い順に順位が決まる。
例:12人、3台で行う場合。 1台に4人ずつ分かれる。
*人数が多い場合(100人前後)
単独投輪方式で予選を行う。その中のトップ8人で交互投輪方式をトーナメント戦で行い順位 を決める。

例:100人、10台で行う場合。 10台に10人ずつ分かれ、単独投輪方式を3回ずつ行う。 2回の合計点の高得点者8名を選ぶ。 その8名で交互投輪方式によるトーナメント戦を行う。 その間にトーナメントに残れなかった人で有志の人は残っている台で2部リーグの試合をする。この場合は単独投輪方式を2回ずつ行い、総合得点の高い順に順位 を決める。
公式ワナゲのリングの投法について
リングは、どのように投げても構わない。距離や個々の特性に応じて適切な投法を発見するヒントとして、以下に代表的な投法を2種紹介する。第1条 サイドフリップ投法(横投げ)

リングを地面に対して並行に保ち、足を前後に、肩幅よりもやや広くとり、サイドスローで投げる方法(俗にいう「夜店の輪投げ」の投げ方)。人差し指をリングの外周に沿って密着させ、親指を軽くリング上部に添え、中指で手のひらの親指の付 け根あたりをしっかりと挟み込 み、親指と小指でリング下部を 支える。この投法はコントロー ルが難しいが、バウンド(跳ね返り)しにくいので近距離に適している。第2条 センターフリップ投法(正面投げ)
足を肩幅と同じ程度に開き、利き腕がワナゲ台の中央部に向く形で、投輪ラインに沿って立つ(利き腕側の足を一歩引く姿勢をとるのもよい)。次に、リングが地面に対して並行になるように突き出す。そして、リングを持つ腕の力を抜いて後部に振り、その反動で投げるアンダースロー投法である。手のひらを上向けにし、人差し指・中指・薬指でリングを引っかけ、小指でリング下部を支え、親指でリング上部を軽く押える。この投法は、5m以上に適した投法で、「振り子投法」とも 呼ばれる。慣れると的中率が高いが、バウンドしやすい。